産業廃棄物はどこへ行く?
なぜ産業廃棄物から電気を作るのか
東日本大震災に端を発した昨今の著しい電力不足を見てもわかる通り、電気とは決して無尽蔵に存在するエネルギーではありません。そして、その電力を作る方法も、近年注目を集めている太陽光や風力やバイオマスなどの再生可能エネルギーによる発電に代表されるように、既存のもの以外の発電手法の発展が強く求められています。
サニックスエナジーが取り組むこのプラスチック燃料による発電は、そうした新たな発電手法の一端を担う存在になり得るものだと考えています。
プラスチックというのはそもそもは石油を原料として加工されたものであり、これを産業廃棄物の中から再利用することは、今正に原子力発電所が稼働できないことに起因して高騰を見せている石油による火力発電の燃料コストの低下に寄与するものと考えられます。また、これまで埋め立てられていたプラスチックを再利用することによって埋立処分場の残余埋立量の逼迫を抑制する効果も期待できるのです。また、廃棄物のプラスチックをリサイクルしてエネルギーに変えるということは純国産の燃料を使用していると考えることができ、石油などの化石燃料の輸入による調達コストが高騰している昨今の日本において、そうした点でも価値のある事業であると考えられるのではないでしょうか。
このようなプラスチック燃料による発電によって、月間最大約20,000トンのプラスチックがリサイクルされ、74MW(一般家庭約24千世帯分)の電力を作ることが可能なのです。
サニックスストーリー
ひと昔前までは、プラスチックと言えば、埋め立て処分するための減容が中心でした。「捨てるだけなんてもったいない!」「埋め立ても地球にやさしいとは言えない」そんな想いで、このプラスチック発電を事業化したのでした。
一言に産業廃棄物由来のプラスチックをリサイクルすると言っても、それらを燃料化するには、グループ会社で燃料の製造元であるサニックスの燃料製造工場での徹底した燃料の選別と破砕が必要です。またこれらの燃料を使用して安定した発電を行うには、通常の火力発電と異なる運転ノウハウを必要とする部分も数多くあり、それらを一つずつ積み上げながら、グループが一体となって独自の発電技術を身に着けて参りました。